熟睡者を読んだ感想・学び|なぜ夜型人間と朝方人間が存在するのか?時差ボケの影響を無くす方法など

熟睡者という本 Books

この本超面白かったです.

本当に読んでよかった.

睡眠に関する疑問が解決されるだけでなく,

  • 時差ボケの影響を小さくする方法
  • 体内時計を調整する方法
  • 睡眠の質を高める方法
  • 寝付きやすくする方法

など,実践的かつ有益な情報がたくさん載っていました.

自分に必要な睡眠時間を知る方法

人間に必要な睡眠時間は平均すると7〜9時間.

しかし個人単位で見ると最適な睡眠時間は異なるため,自分の必要な睡眠時間を見つける方が有益だと言えます.

その方法は,数日間かけて好きなだけ寝ることです.

最初は日頃の睡眠負債(睡眠不足の量)により,睡眠時間は長くなるが,睡眠負債が解消された後,自分にとって最適な睡眠時間に調整されていきます.

そのため,睡眠時間を記録しながら数日間好きなだけ寝ることで,ある一定の時間に調整されていき,その時間があなたに必要な睡眠時間と言えます.

睡眠は量か質か

睡眠には量が必要なのか,それとも質が大事なのか.

これはかなり気になるところです.

その答えも本書には書かれていました.

結論,睡眠は量より質が大事です.

量ではカバーしきれない部分がたくさんあります.

昼寝に最適な時間

昼寝は15分以内がベストだそうです.

睡眠とカフェイン

朝のカフェイン摂取は体内時計を整える効果があるそうです.

睡眠に良い1日のルーティン

  • 朝できるだけ早く太陽の光を浴びる.晴れの日であれば30分程度.曇りの日であれば1時間程度.
  • 午前中にコーヒーやお茶などのカフェインを摂取し体内時計を整える.15時以降は控える.
  • 午前から夕方ごろまでに運動を行う.遅くとも就寝3〜4時間前には運動を終える.
  • 食事の量は,夜<朝<昼が睡眠には良い.
  • 夜寝る前は室温をやや下げる.26°程度.
  • 寝室はできるだけ暗くする.少しの光でも睡眠に影響を与える.

西へ向かうとき

  • 数日前は太陽の光を浴びないようにし,逆に夕方ごろに太陽光に似たブルーライトをたくさん浴びる
  • 夕方以降にジョギングをする
  • 夕食の時間を徐々に遅らせる

西へ向かう場合は,約1日で体内時計が整うそうです.

東へ向かう時

東へ向かう場合は西とは逆のことをします.

つまり,あらゆることを早くする.

実は,西へ向かう場合よりも東へ向かう方がきついそうです.

それもそのはずです.

東は時間が先なので,到着しても太陽の光を十分に浴びれなかったりするからです.

もしくは昼に到着して1日を延長することになるので,きついです.

東へ向かう場合は約1日半で体内時計を調整できるそうです.

睡眠不足による悪影響

  • 衝動性,攻撃性が高くなる
  • テストステロンの値が低くなり,筋肉が減りやすく,体脂肪が増えやすくなる
  • 食欲が増進し,満腹感を得にくくなるため暴飲暴食の確率が高まる
  • 判断力低下
  • 記憶力低下
  • 生産性低下
  • 免疫力低下
  • アルツハイマーのリスク増加
  • 外見の魅力度,信頼度低下

睡眠を十分にとるメリット

上記の逆です.

夜の睡眠時間と質を確保するだけで,素晴らしいメリットを享受することができます.

無料でなおかつ時間もかからない.

素晴らしい話ですね.

小手先の生産性や集中力を上げるテクニックよりも,睡眠を整える方がよっぽど価値があります.

朝型人間と夜型人間がいる理由

これは個人的に超面白いと思った話です.

話は旧石器時代に遡り,まだ人間が捕食者による脅威から身を守る必要があった時代です.

この頃,人間は夜の間火を絶やさないようにしたり,見張り役が周囲を確認することで安全を保っていました.

そのため,夜は火を燃やし続ける者,見張り役の者がいた方が生存に有利です.

そして,朝早くに交代すれば一晩安全を確保することができます.

朝方人間と夜型人間は,このようにして分かれたと言われています.

高層ビルやマンションの上の方に住みたくなる理由

これは本の中に書かれていたことをもとに僕自身が推測したものです.

本の中にあったコラムでオランウータンとヒヒの比較がありました.

オランウータンはヒヒよりも体格,知能ともに勝っており,木の上に快適な寝床を作り眠りにつく習性があります.

一方,ヒヒは木の枝に座りそのままの状態で眠りにつきます

そして,オランウータンはヒヒよりも長く深い睡眠をとっていることが研究からわかりました.

これは,オランウータンのように木の上で眠ることは,捕食者や害虫から身を守りやすく安全かつ快適に眠ることができるためだと結論づけられました.

ここまでがコラムの内容です.

そして,ここからは僕の推測です.

人間もオランウータンと同様に高いところの方が『安全』と感じるため,本能的に高いところに行きたがるのではないかと考えました.

『人間の脳は,大昔の危険なサバンナに暮らしている頃からほとんど変化していない』と有名な著書『スマホ脳』でも解説されています.

それが現代病である鬱や肥満などの原因と言われています.

人間の脳が大昔とほとんど変わっていないということは,大昔の『高い木』=『安全』という本能もあるはずです.

だから,現代における高くて安全な場所はマンションやビルであり,その上の方に住みたがるのではないかと思いました.(地震や火事などによる危険性や地上に降りる苦労を除いて)

寝る前にデバイスの画面を見ても睡眠に影響が出ない条件

これも面白いと思った話です.

寝る前のPCやスマホ,タブレットによるブルーライトの光は睡眠に悪影響を及ぼすと一般的に言われています.

これは実際正しいです.

ブルーライトによって脳は昼だと勘違いいてしまうため,眠気を誘うホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されます.

しかし,寝る前にデバイスの画面を見ても睡眠に影響が出ない場合があります.

それは日中に太陽の光を十分に浴びた場合です

夜にスクリーンから影響を与える大きさは,日中にどれだけ日光を浴びたかによるそうです.

そのため,寝る前にスクリーンは見ない方がいいですが,日中にしっかり日光を浴びることで,影響は小さくできそうです.

睡眠不足だと人の目を直視できなくなる

これは僕自身なんとなく感じていたことです.

睡眠不足の日は,なぜか人の目を直視しづらいなと思っていました.

これも本書で解決されました.

睡眠不足は,言い換えると疲労によりエネルギーが不足している状態です.

エネルギーが不足している時は,エネルギーを温存するためにできるだけ人との対立を避けるようになるそうです.

感情的な衝突や攻撃につながる対立を避けるために,人の目を直視できなくなるそうです.

面白い話だし,人間ってよくできてますよね.

まとめ

この本は超面白くて,おすすめします.

説明しきれていない話もたくさんあるので,もっと深く掘り下げて知りたい方はぜひ読んでみてください.

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